●終わりました〜
個展終わりました!お越しいただいたみなさまありがとうございました。そして、16日の紙芝居音楽劇には予想以上にお客さんが集まってくれて本当に嬉し涙であります。ギャラリーなのでどうなることやらと思いましたが、結局40人以上いたようで、よく入ったな〜、と驚いてしまいます。様子を書いてくださったみなさまありがとー。リンクしちゃいます。
●アンティーク『ROSERING』さんのブログよりhttp://rosering.exblog.jp/d2010-05-17
●お客さんで来てくれていた美術家オワントさんのブログよりhttp://owanto.exblog.jp/14401167/
●出演者ママクリオのクリスチィヌさんのブログよりhttp://kurisute.exblog.jp/d2010-05-18
***************個展雑感
初日からたくさんの人が来てくださって嬉しかったです。特に、ウイローパターンの食器の展示で協力してくださった国立のアンティークショップから聞いてきた〜というお客さまが多くて、本当にありがたかったです。
国立での個展は初めてなので、どうなることやらと思っていたのだけど、地元の方に見てもらうのはいいよね。そして、遠くから来てくれた方達もいて、嬉しかったです。一番遠くは大阪から!!K村さんありがとう。きっと来てくれると思ってたよん。
一番おかしかったお客さんは地元の現代美術のアーティスト(らしい)で、80年代のバンドに詳しいらしかった。その頃バンドやってたのにそのトラウマをもっと出さなきゃ駄目だ〜〜、と熱く語るので、「これは氷山の一角でしょ。人はいろんなものを持ってるし、今回はこうゆうテーマでいくのだというルールをわたしは自分で作ったのよ」と言うと、何故か「仏教は?」とか「哲学は何読んだ」とか聞く。かなり面倒くさい。しかし、わたしはめげないのだ。置いてある食器も眺め「これは誰が作ったんだ」と聞くので、ほかのお客さんには丁寧に柳模様の説明をしていたが、むさ苦しいのでゾンザイに「アメリカ人よ!」(アメリカのものも置いてあった)と答える。このあたりで二人いたお客(こうゆうシチュエーションが大好きそうな二人だった)が耳をそばだてているのがわかる。で、わたしが答えることにことごとく駄目出しをするわりには引き下がらないので、なんとかキリをつけたいと思い、わたし自ら手をあげ「よし、じゃあ、日本文学でわたしが好きなものを言おう」「おう!それはいいな。それを聞かせてくれい!」「それは、鴨長明の『方丈記』だ。どうだ、これでわかっただろう。行く河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず・・・・これが全てよ!これがわたしがやってることのすべてだと思えばいいわよ。そうゆうことよ。どうよ!」と言ったら、「うむー!!それはいい!わかった。よし、じゃあ、オレはこれで行く!」と去っていったのだった。
***************まとめてみまするに
昨年の11月からsuicaの定期を買ってほぼ毎日工房へ通いつづけた。今回は絵本の形態にする、と自分にルールを課したので、ひたすらわたしは完成にむかってすすむのみだった。長くやってきているので、途中波乱が起きても時間調整はできる。実際1枚につき1週間でできてしまうものもあれば2週間以上も紆余曲折しながら作ったものもある。一番大事なこと、というか今回のやり方でつらぬいたことは、こんな風にしたい、と思ったことは最後まで実験なり意見を聞くなりして全うしよう、というで、途中で「ま、いいか」と投げ出したものは一つもなかったから、9作できあがった時にはずいぶんと技術的に向上したように感じた。銅版画が愛おしいと思えるのは、かわいがり丁寧に作り上げていくと、必ず最後にはそれに答えてくれる作品ができるからなのだ。イラストの仕事がらみでドンドン個展をやることが多い数年だったけれど、『Bronze & Willow』につづいて、ピュアな気持ちで自分のやりたいものをやったという充実感があった。
この絵本仕立ての「柳模様の物語』は1点ではなかなか売れないだろうということは重々わかっていたので、今回このシリーズについて売れなくても仕方ないことだと思っている。多少売れたのでよしとしている。ただ、搬出の時に手伝って最後までいてくれた友人お二人にも話したのだけど、「無駄なこと」なんて一つもないんだなー。今回こうやって台湾の雰囲気のギャラリーに巡り会ったことも、同じ街で柳模様の食器のたくさんあるアンティークショップにフラッと入ったことも、すべては「無駄なことなんてひとつもない!」と思いながら日々好奇心とチャレンジする気持ちを持って過ごしてきたからなのだと思っている。そういった細い細い糸のようなものが、いつかどこかに結びつく。今思えば10年以上も前から綿々とそれは続いているのだ。もっと言えば、生まれてからずっとの小さい事大きいこと入り交じった生活をどれも「無駄なことなんかない。おもしろい」と思って生活していれば、節目節目に人は目に見える形にすることができるのだろうと思う。つまらない気持ちでいたくない。人生は短いんだよね。わたしは多分もう半分は過ぎたと思う。充実はしているがスピードは落ちている(といっても相当わたしは速いように思うけど)。「無駄なことはない」けれど、「つまらないこと」はしたくないし考えたくないもんだ。
***************紙芝居音楽劇はアレだけグレード高いともしかして画期的かも!?
今回はライブも込みで個展を頼まれたので、紙芝居というかたちでライブもしました。これが実は自分にとってピタッとした。いろんな事をやっているけれど、どれも中途半端にはしたくないものだ。片手間に音楽してるわけではないし、片手間に版画をしてるわけでもない。だから総合的にしっかり表したいと思っていたわけだから今回のやり方はとってもわたしらしかったな、とつくづく思った。ライブが終わったあと、新曲の「オリオン」で泣いてくれた人が3名ほどいて、作った甲斐があった。この曲のみ今回は版画とまったくリンクさせて作ったのでした。長く作っていた曲も今回の物語りにピッタリのものが多く、オペレッタのようだったな〜、と思いました。終わったあと何人ものかたに「巡回キボンヌ」と言われた。わたしも実はさらに発展させてできるなあ、これ、といろんなアイディアが生まれてきたので、これからもコレつづくと思います。なので、今回見られなかったみなさま、次回をお楽しみに!今回ご覧になったかたにもきっとグレードアップしたものをお見せできると思ってますので、よろしくお願いします!
「オリオン」は久々にスルッとできたヒット曲。K太郎が撮影したヴィデオがいい感じなので。現在編集中です。youtubeにUPしますのでお待ちくださいね。
あ、そういえば、会期中「Bronze & Willow」でバンドリンを弾いてくれたショーロクラブの秋岡欧さんがみえて、CD発売記念ライブの話になりました。あれもヴィデオがあるんですよねー。時間ができたら少しづつ動画をUPしたいと思います。ミュージシャンが何人も来てくれるわたしの個展です。みんなフットワークがいい。ジックリした版画の友人とはまったく違ったノリでおもしろい。
今回はライブの日に来ていただいた方にはじっくりと会場の雰囲気や版画を味わうことができなかったかもしれません。でもね、それもわたしのやり方なんで、わたしは満足しています。そして、この絵本スタイルのものは、また必ずどこかでやれると思いますので、その時にまた是非見にきてくださいね。紙芝居音楽劇もどこかで巡回したいと思っていますので、「ここでやれる!」「ここでやってくれ!」という場所、主催者さんいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします!その時はママクリオのみなさんもよろしくね。そうだ、まったく即興で物語りに演奏をくわえるなんてのもアリだなあ・・・・・これもやってみたい。やりたい!というミュージシャンの方も募集しちゃおう。いろんなことしよう!
***************再びまとめ
てな感じで、楽しいライブの日が過ぎたら実はドォ〜〜〜ッと気が抜けて、音楽系悪魔が「もうやめてしまえ」と囁いたのですが、真面目な銅版画女のわたしは「ちゃんとあと二日行って仕事を全うしなさい」と言ったのでした。しかしほとんどやはり終わった気分になっており、かえってほんわかした気分で最後の日などは過ごせた。最後の二日間に、とてもすばらしい出会いをしました。ガツガツしてる時にはあまり良い出会いはないもんです。亀福さんの隣のオフィスのSさんが、ファンレターをよくくださるコピーライターのYさんと一緒に現れ、とてもおもしろい話で盛り上がったのでありました。次の日には国立の古本屋で買ったという「柳模様」のアメリカ版絵本をくれた。昔からよくわたしは本を貰う。わたしも自分の持っている本を「この人が持ってる方がいい」と差し上げることがたまにある。高野文子の「おともだち」とケストナーのほとんどをわたしは入院していた友達にあげた。自分の本棚から・・・という行為に意味がある。
良い出会いがある。いつも個展のための制作はジュミョウを縮めているかのようなのだけれど、個展が始まると必ず自分の作品がグッと前進したことを感じる。そして、素敵な出会いが待っている、ということを知っている。
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ドモ〜、マツモトです(虚ろ)。ずうっと良いお天気でしたが、夜は肌寒かったりで、半袖だったりカーディガンだったり。個展の時は毎日小綺麗にして行けるのが嬉しい。普段汚い・・・ |
DMの絵に合わせた色のお花をたくさんいただきました。濃いピンクの花園。普段は花より団子&ワインなのに、ロマンチックなDM効果に違いない。左のマグはローズリングの展示品より購入。 |
広くて趣のあるギャラリーです。22点展示しました。内9点は絵本仕立て。1点総括的な大きな絵を正面に。 |
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二つのテーブルに国立のアンティークショップROSERINGさんのウィロウの食器が。こちらは日本製。 |
こちらはアメリカ製。絵とお皿の模様をジックリ見てくださるお客さんも多くおもしろかったです。 |
最終日は亀福オリジナルのタルトをごちそうになりました。お皿もヤカンも素敵。 |
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16日のライブ後パソコンでライブムービーを流す。紙芝居舞台も展示。 |
コーナーの家具は骨董ギャラリーさんが持ってきてくれました。国立の街に助けられました。 |
最後に来て搬出を手伝ってくれたT村さん、A柳くんのお二人。ありがとー! |
●物語り編ーーー少しだけディテイルをーー全体像はいずれ |
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色がきれい。ウエムラくんの後ろの絵が「まあ。お茶でも」。モンスターにもお茶を |
この小舟での逃亡シーンが気に入ってます。 |
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紙芝居小屋が低かったので、時々上に出して見てもらいました。写真はyukoさんありがとう。 |
最後はウエムラくんと二人で『I'll see you in my dream」をウクレレで。この曲はロバート・クラム、チェット・アトキンス、桂牧ヴァージョン等知ってますが、ジョージ・ハリスンの追悼ライブでのジョー・ブラウンヴァージョンが一番好きなんで、それでやりました。勿論日本語で歌詞を作りました。おしまい〜〜 |
●「オリオン」の歌詞はコチラ
◆オリオン
雨の降る日は窓越しで 雨の音を聞いていればいい
細い雫が横顔に映り、とってもきれいなストライプ
泣いていたのは知ってたよ だから雲の上を見に行こう
ぼくは夜空の目印オリオン きみと同じブルーな星
**きみと遠い遠い遠い遠い楽園へ
線路が途切れたらチョット休もうか
天気がつづけばそれなりに 土の匂いを嗅いで過ごすだけ
岩の間に芽が出たら、水を毎日運んで汗をかく
きみの心の穴ぼこは ぼくが小さいシャベルで埋めるだろう
冷たい夜空のオリオン 変わらぬ合図送ってる
**きみと遠い遠い遠い遠い楽園へ
線路が途切れたらチョット休もうか
水路を掘ってさ、畑を作って、 土手に柳を植えて3年待とう
麦もオレンジも空から見たいね パッチワークのようで、鮮やかだろう
屋根は夜空の色に塗ろう 星の形のガラスをはめるから
一面まばゆく埋まったら、ここは星座のひとつと見間違う
「夏は暑くて倒れそう」きみがクールに微笑んだから
冷たい夜に輝くオリオン 西に向う途中の星
**きみと遠い遠い遠い遠い楽園へ
線路が途切れたらチョット休もうか
雨の降る日は雨の音、一日聴いて過ごしていればいい
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