『紳士録』
<わたしが男を描くわけ>
今回は『男』です。
女の子は小さい時から女の子を描くのが常で、例に漏れずわたしも自由帳に、チラシの裏に
たくさんの女の子を描いていました。
その後大学時代に夜セツ・モードセミナーに通うようになり、たくさんの人物クロッキーを
しました。体は骨、筋肉で繋がっていて、セツさん好みの細い男性(女性も)モデルを描いて
いると、骨が良く見えて、頭からつま先、指先まで線で繋がっていることがよ〜くわかるのでした。
骨が見えやすい男性を描くのがいつしか快感になってくる。女性を描くのはもっと男性を極めて
からにしよう、、、などと生意気にも思ったものでした。
その頃に読んだ伊丹十三の『女たちよ!』『再び女たちよ!』もまた、わたしに男の世界の
楽しさを教えてくれた。男のこだわりが羨ましい。だからわたしはその頃から将来の夢は
「ジジイになること」でありました。カッコいいジジイになりたい。
趣味趣味にまみれたジジイになりたい!
キッチリ磨いた革靴、あつらえたツイードのジャケット、銀座の帽子屋でパナマ帽を買い、
犬の柄のついたイカしたステッキを買おう。できたら仕込み杖になっていて、1杯分の
スコッチウィスキーが入っていると良い。ご婦人のためにドアを開けてさしあげよう。
いきつけの理髪店で髪と髭を整えてもらったら、最後にいつものオー・ド・トワレをちょいと
つけてもらおう。たまには競馬場に行き、パドックでしっとりとしたサラブレットを見よう。
本屋の帰りには珈琲屋で濃い珈琲を飲みながらさっそく新刊本を読もう。
ハッキリ自己主張をせず権威に媚びる奴らに悪態をついて、寝る前には反省して安らかに
死ねるように祈ろう。
雨に打たれ風に流され、そんなジジイにわたしはなりたい。
。。のだ。
たくさん描いてきた男、おじさん、紳士、青年、少年、、、等々を集めて展示いたします。
内容、在廊日、時間については、時々ブログやFACEBOOK、ツイッターでお知らせします。
水曜以外はだいたい在廊予定ですので、お時間が合うようでしたらお会いいたしましょう!
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