●九日目●

ウェールズへののどかな小旅行から戻り、翌日はさらに日帰り小旅行へ。
ここに行かなきゃ始まらないわ。ブライトン。ではでは、プロローグを。


■EAT & MEET in LONDON ■
Vol.16:ブライトンは遠かった
15/July-fri


To Brighton

11日からわたしたちはロンドンの西の方ハマースミスにお住まいのバリバリワーキングウーマンの横山さんのお宅に泊めて頂いていました。横山明美さんは才色兼備。今は保険ブローカーだけど、その経歴はとてもユニークなのでした。同時代社から出版されている『在英ワーキングウーマン事情』にも彼女は紹介されています。ティナ・ターナーのプライベートシェフでもあった彼女は勤勉だ。英語だけではなく、一般事務、生物学や環境科学の学士号まで取得。家を持ち、オフの日には乗馬を楽しんだり庭でバーベキューをしたりする。いいなあ〜。単純にいいなぁ〜でござんす。でも、並々ならぬ努力をしてきたんだと思います。最後の日にはわたしたちもおよばれして、美味しいご馳走をいただきました。彼女のオフィスの真下でテロの爆弾が爆発したこともあり、電話がひっきりなしにかかっていました。会社も業務ができずにいたようです。それでも、横山さんの話しによれば、英国人は(会社は)こういった事態は覚悟していた、とのことで、対処は早いと思うと言っていた。『ナマの声』でした。
 
素敵なお庭でございます。20年英国暮し。立派なネコがパートナーです。最後の日はここでバーベキューしました。リスも遊びにきます。

泊めていただいた部屋で。大きいでしょ、このネコ。

ロンドンから南へ2時間ほどのブライトン。
ここに行くのがわたしは本当に楽しみでした。思い入れたっぷり。わたしにとってのブライトンはTHE WHOの『四重人格』と繋がっている。さらに、ヴィクトリア時代栄えたゴージャスなリゾートタウンとして、アガサ・クリスティの小説などに出てくるところとしても心がはやる場所なのでした。
そして、どうしても行く、という気持ちがあったのは、20年近く昔、1ヵ月間ヨーロッパ放浪をした最後の地ロンドンのB&Bでついに寝込んでしまい、予定していたブライトンに行くことができなかった、という悲しい過去があったからなのでした。
ハマースミスからヴィクトリア駅へ出るのはとても簡単です。でも、電車の多くが止まったままだったので、なにやら大回りして行きました。
シェファーズ・ブッシュ駅まで出ます。ここには古くて立派な建物のライブホール「エンパイア」があります。また、路地裏雰囲気のマーケットも見学。


ハマースミスから電車で二駅シェファーズ・ブッシュ。有名なライブハウスがあります。シェファーズ・ブッシュ・エンパイア/Shepherds Bush Empire 100年以上建っているそうです。ライブハウスというかホールみたいに立派です。 レディオヘッド、ザ・ホワイト・ストライプスなどもここでライブをしている。


入り口も由緒正しい雰囲気。
黒い扉にはまったガラスは波打ってました。キャパ2000人。
テロの翌日はピーター・ハミルがここでライブだったらしい。


ライブスケジュール。OysterbandとかFrankie Goes To Hollywoodなんてのも見えますよ。Oysterbandはこの数日前にたまたまピカデリーサーカスの本屋のCDワゴンセールコーナーで5ポンドほどで『Here I Stand』というのを購入していた。
フィドルやアコーディオンが入ってトラッドなのだけど、も少し新しい感じなんです。ん〜、しかしわたしはもっとトラッドなのが好きだな。新しいようで、ちょいダサい感じだった。

「Shepherds Bush Market」 いかにも、「安い」という感じ。 肉屋。
Willow Patternの食器もチープ。
でも、本当は欲しかった。
ペット・ショップ Shepherds Bush駅。平日の朝。
冬みたいに見えますが、夏です。 ヴィクトリア駅から長距離バスに乗ります。
小奇麗なフランス人家族が乗り込んで行きました。
のどかな風景が続きます。映画『さらば青春の光』を思い出します。

ヴィクトリア駅はとても大きな駅です。その昔の旅で、わたしはフランスからドーバーを渡ってやっとこの駅へ辿り着いたのですが、ここでもうフラフラになってしまい、ほとんど一歩も歩けない状態となったのでした。本当はそのまま電車を乗り継いでブライトンへ行くはずだったのです。一緒に行った友人はそのままブライトンへ。わたしはインフォメーションセンターで一番近くてそれなりのお安いB&Bを紹介してもらい、どよ〜〜んとなったままインド人経営のそのB&Bへ辿り着き、丸二日間一歩も立ち上がることもできずにベッドサイドのラジオを聞きながら寝つづけていたのでした。あの時頻繁に宣伝していたのは『マダム・ボヴァリー』。耳にタコができた。ベレー帽と歌い方が嫌いだった「ビートニクス(覚えてますか?)」が流れた時に、気持ち悪いけど日本語だってだけでホッとしたのを覚えている。

二日後になんとか這い上がれるようになった時、ブライトンのTHE GRANDに泊まった友人が戻って来ました。楽しみにしていたのにこのホテルに泊まることができなかったわたしに、ホテルグッズをいろいろ持ってきてくれました。寒い季節に行ったので、気分もそこはかとなくデカダンで良かったらしく、本当にうらやましかった。

そして、ようやく行くことができたわたしは、バスに揺られながら思いました。
『さらば青春の光』では、モッズたちがベスパやランブレッタにおしゃれして跨がり、ヒューヒュー言いながらブライトンの海岸に着くシーンがあるのだけど、2時間かかりましたよ。近い、と言われているけど、2時間ベスパはきついのじゃないかなあ・・・。もっと大きなバイクに乗っていたその後海岸で対決することになるロッカーズたちは楽々のツーリングだろうし、格好も気にならないと思うけど、ベスパに乗ったオシャレなモッズたちは髪型も崩れるだろうし、大変だったろうなあ。ロッカーズとの対決でも、へばったんじゃないかな。あとは薬の力で乗り切ったにちがいない。

とゆうわけで、いよいよ次回はブライトン到着です。
でも、ほとんどメリーゴーラウンドで遊んでたんですけどね・・・・チャオ!





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